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Ubuntuで年賀状の宛名作成 2022年版

LibreOffice の Calc で住所録を作成して、コマンド1発で年賀はがきの宛名印刷面のPDFデータを作成する方法。

以前の方法(Ubuntuで年賀状の宛名作成 csvで住所録編集 2020年版)ではLibreOffice の Calc で csv データを作成・編集していたので、新規作成・保存の際や編集のためにデータを開き直す際にちょっと煩雑な手順が必要だった。

しかし、今回はLibreOffice Calc のデフォルトのオープンドキュメント形式(.ods)で住所録の作成・編集ができるので、煩雑な手順がなくなり、とても簡単になった。

一度環境を整えたら、次年度からは Calc で住所録編集&スクリプト実行(コマンド1発)だけでOK。



動作確認環境

IPAmj明朝フォント・IPAexフォント、perlchromiumブラウザをインストール

人名の様々な異体字が使えるIPAmj明朝フォントと、郵便番号でIPAexゴシックを使う。 フォントを変更したい場合、後述のnenga.cssの該当箇所を修正する。

「端末」を開き、下記を1行ずつコピペして、エンターキーを押す。一番最初はパスワードを求められるので入力して(セキュリティ上、入力中は何も表示されないけど、ちゃんと入力されている)、エンターキーを押す。

sudo apt install fonts-ipamj-mincho
sudo apt install fonts-ipaexfont
sudo apt install perl
sudo apt install chromium-browser

フォルダ構成

年賀宛名from-odsフォルダ(フォルダ名は任意)を作って以下のように設定ファイル等を置いていく。

年賀宛名from-ods (フォルダ名は任意)
 ├── makenenga.sh
 ├── nenga.css
 └── 宛名.ods (ファイル名は任意)

スクリプトファイル・設定ファイル

スクリプトファイル・設定ファイルをいちいち作成するのが面倒くさい人は、年賀宛名from-ods.zip をダウンロードしてください。

上記zipファイルをダウンロード・展開(解凍)した場合、 宛名データ(宛名.ods)を作成する まで読み飛ばして構いません。

makenenga.sh (スクリプト

ods → csv → html → pdf というスクリプト

Ubuntu 22.04.1 LTS上のLibreOffice 7.3.5.2(snap版)を使用している場合、4行目は「libreoffice」にしないとうまくいかなかったが、もしcsvへの変換がうまくいかず、PDFがちゃんと生成されない場合は「soffice」にしてみてください。

参考リンク: odsからcsvへの変換 CSV Filter parameters

テキストエディタを開いて、下記の内容をコピペして、makenenga.sh として保存。

#!/bin/sh

#odsデータからcsvデータへ変換。うまくいかないときは「libreoffice」のところを「soffice」にするといいかも。
libreoffice --headless --convert-to csv:"Text - txt - csv (StarCalc):59,59,76" $1.ods
sed -e 's/^[oO○]//g' $1.csv > $1_002.csv

#↓住所の2行目を1字下げしている($14 "<br /> " \)。字下げしたくない場合は当該箇所を $14 "<br />" \ にする。
sed -e '1d' -e '/^[xX☓]/d' $1_002.csv | \
awk -F ";" \
'{print \
$1 "<section class=\"sheet\">\n<p class=\"郵便番号\">" \
$13 "</p>\n<p class=\"住所\">" \
$14 "<br /> " \
$15 "</p>\n<div class=\"宛名\">\n<p class=\"姓\">" \
$3 "</p><p class=\"名\">" \
$4 "<span class=\"敬称\">" \
$5 "</span><br />" \
$7 "<span class=\"敬称\">" \
$8 "</span><br />" \
$9 "<span class=\"敬称\">" \
$10 "</span><br />" \
$11 "<span class=\"敬称\">" \
$12 "</span><br /></p>\n</div>\n<div class=\"差出人住所氏名\">\n<p class=\"差出人住所\">" \
$20 "<br />" \
$21 "</p>\n<p class=\"差出人姓\">" \
$16 "</p><p class=\"差出人名\">" \
$17 "<br />" \
$18 "</p>\n</div>\n<p class=\"差出人郵便番号\">" \
$19 "</p>\n</section>\n"}' | \
sed \
-e 's/<br \/><span class=\"敬称\"><\/span>//g' \
-e 's/<br \/><\/p>/<\/p>/g' \
-e '/<p class=\"名\"><span class=\"敬称\"><\/span><\/p>/d' \
-e '/別姓/s/<span class=\"敬称\"><\/span><br \/>/<\/p><p class=\"名\">/g' \
-e 's/<\/span><br \/>別姓=/<\/span><\/p>\n<br \/>\n<p class=\"姓\">/g' \
-e '/住所/y/-−ー*/―――*/' \
-e '/郵便番号/s/[-−ー]//g' \
-e 's/class=”yoko”/class=\"yoko\"/g' > filein01.txt

#住所の数字を漢数字に変えたい時は以下の行頭の「#」を消して、上書き保存。
#sed -i -e '/住所/y/1234567890*/一二三四五六七八九〇*/' filein01.txt
#sed -i -e '/住所/y/1234567890*/一二三四五六七八九〇*/' filein01.txt

perl -e '
    print "<!DOCTYPE html>\n";
    print "<html lang=\"ja\">\n";
    print "<head>\n";
    print "<meta charset=\"UTF-8\">\n";
    print "<link rel=\"stylesheet\" href=\"nenga.css\" type=\"text\/css\">\n";
    print "<title>年賀状 宛名<\/title>\n";
    print "<\/head>\n";
    print "<body>\n";
    open(RDFILE, "< filein01.txt");
    while(<RDFILE>){ print $_; }
    close(RDFILE);
    print "<\/body>\n";
    print "<\/html>\n";
' > `date +%Y%m%d_$1年賀状`.html

#PDF出力
chromium-browser --headless --print-to-pdf=`date +%Y%m%d_$1年賀状`.pdf `date +%Y%m%d_$1年賀状`.html


#中間ファイル削除
rm -f $1.csv
rm -f $1_002.csv
rm -f filein01.txt
#rm -f `date +%Y%m%d_$1年賀状`.html

nenga.css (宛名面の版面調整)

ハガキの版面調整(郵便番号や宛名、住所等の位置など)やフォント変更をする場合は、テキストエディタでnenga.cssを開いて修正する。

テキストエディタを開いて、下記の内容をコピペして、nenga.css として保存。

@page {size:100mm 148mm; margin:0; padding:0;}

body {margin: 0; padding:0;}

.sheet {
    width:100mm; height:148mm;
    margin: 0;
    padding:0;
    position: relative;
    page-break-after: always;
}

#title-block-header{
    display:none;
}

p{
    margin:0;
    padding:0;
    font-family:"IPAmj明朝"; 
}

.郵便番号 {
    font-family:"IPAexゴシック";
    font-style: normal;
    font-weight: normal;
    letter-spacing: 4.4mm; /*数字の間隔 IPAexゴシック使用時で調整している。フォントを変えた場合は要調整。*/
    font-size:13pt;
    margin:0;
    padding:0;
    position:absolute; top:13mm; left:46mm; /*上部および左からの位置。ズレる場合は要調整。*/
}

.住所 {
    font-family: "IPAmj明朝"; /*フォント*/
    font-size:14pt;
    margin-left:0px;
    padding-top:0px;
    line-height:1.5em;
    letter-spacing:2pt;
    writing-mode: vertical-rl;
    -webkit-writing-mode: vertical-rl;
    text-orientation: upright; 
    -webkit-text-orientation: upright; 
    position:absolute; top:30mm; right:7mm; /*上部および右からの位置*/
}

.yoko {
    text-orientation: mixed !important; 
    -webkit-text-orientation: mixed !important; 
}


.宛名 {
    position: absolute;
    top: 30%;               /*上部から位置*/
    left: 52%;              /*左からの位置*/
    -webkit-transform: translateY(-10%) translateX(-50%);
    transform: translateY(-10%) translateX(-50%);
    writing-mode: vertical-rl;
    -webkit-writing-mode: vertical-rl;
    text-orientation: upright;
    -webkit-text-orientation: upright;
}

.姓 {
    display : inline-block; 
    font-family:"IPAmj明朝";  /*フォント*/
    font-size:23pt;     /*フォントサイズ*/
    line-height:1.3em;      /*.名のline-heightの値と同じにする*/
    letter-spacing: 0.4em;  /*文字間隔*/
}

.名 {
    display : inline-block; 
    /* vertical-align: -webkit-baseline-middle;  /*↑連名時、姓を中央寄せにするときはこちら。*/
    vertical-align: top;                         /*↑連名時、姓を右寄せにするときはこちら。*/
    font-family:"IPAmj明朝";  /*フォント*/
    font-size:23pt;     /*フォントサイズ*/
    margin-top:0.6em;       /*姓と名のスペース*/
    letter-spacing: 0.4em;  /*文字間隔*/
    line-height:1.3em;      /*連名時の行間*/
}

.敬称 {padding: 0.5em;}     /*名前と敬称の間の調整*/


.差出人住所氏名 {
    position:absolute; top:70mm; left:8.5mm; /*上部および左からの位置。*/
    writing-mode: vertical-rl;
    -webkit-writing-mode: vertical-rl;
    text-orientation: upright;
    -webkit-text-orientation: upright;
}

.差出人住所 {
    font-family:"IPAmj明朝"; /*フォント*/
    font-size:10pt; 
    margin:0;
    padding-left:0.8em;  /*差出人との間*/
    line-height:1.2;
}

.差出人姓{
    display : inline-block; 
    font-family:"IPAmj明朝"; /*フォント*/
    font-size:14pt; 
    line-height:1.2em;      /*.差出人名のline-heightの値と同じにする*/
    letter-spacing: 0.4em;  /*文字間隔*/
    padding-top:0.5em;      /*字下げ*/
    }
.差出人名{
    display : inline-block; 
    /* vertical-align: -webkit-baseline-middle;  /*連名時、姓を中央寄せにするときはこちら。*/
    vertical-align: top;                         /*連名時、姓を右寄せにするときはこちら。*/
    font-family:"IPAmj明朝"; /*フォント*/
    font-size:14pt; 
    margin-top:0.6em;       /*姓と名のスペース*/
    letter-spacing: 0.4em;  /*文字間隔*/
    line-height:1.2em;      /*連名時の行間*/
    }

.差出人郵便番号{
    font-size:10pt;
    font-family:"IPAmj明朝"; /* IPAmj明朝で文字間隔等を調整している */
    margin:0;
    padding:0;
    position:absolute; top:124mm; left:6mm; /*上部および左からの位置。ズレる場合は調整*/
    letter-spacing: 2mm;                   /* 文字の間隔 */
}

/*数字の縦中横はイマイチな感じなので保留*/
.縦中横 {
    text-combine-upright: all;
    vertical-align: middle;
}

/** For screen preview **/
@media screen {
    body { background: #e0e0e0 }
    .sheet {
    background: white;
    box-shadow: 0 .5mm 2mm rgba(0,0,0,.3);
    margin: 5mm;
    }
}

@media print {
  body {
    margin: 0;
    padding:0;
    width:100mm; height:148mm; /* needed for Chrome */
    }
}

宛名データ(宛名.ods)を作成する

雛形のデータは 年賀宛名from-ods.zip の中に入ってます。それを編集するのが手っ取り早いです。

LibreOfficeのCalcで、表計算ドキュメントを新規作成。

1行目を

| 送付 | No. | 姓 | 名 | 敬称 | ふりがな | 連名 | 敬称 | 連名 | 敬称 | 連名 | 敬称 | 郵便番号 | 住所 | 住所2 | 差出人(姓) | 差出人(名) | 差出人連名 | 差出人郵便番号 | 差出人住所 | 住所2 |

にする。

書き方は ods書き方01〜03.png を参考に。

  • 郵便番号は -(ハイフン)があってもなくてもどちらもでいい。
  • A列(送付):○または空白の場合は宛名面が作成される。☓の場合は宛名面が作成されない。
  • 夫婦別姓の場合、2人目をG列(連名)に「別姓=○○」と姓を書き、I列(連名)に名(下の名前)を書く。
  • マンション名が英語の場合に、アルファベットを横倒しにしたいときは、<span class="yoko">〜</span>とする。

既存の住所録がエクセル等で手元にある人はデータをそれぞれの列にコピペしていくといい。

保存は「宛名.ods」(ファイル名は任意)と拡張子を「.ods」にする(デフォルトで.odsになるはず)。

スクリプト実行・PDFファイル生成

年賀宛名from-odsフォルダ内の構成が次の通りになっていることを確認。

年賀宛名from-ods(フォルダ名は任意)
 ├── makenenga.sh
 ├── nenga.css
 └── 宛名.ods

年賀宛名from-odsフォルダ内で、 右クリック端末で開く で、端末を開いて、以下を実行。

sh makenenga.sh 宛名

宛名データのファイル名(ここでは 宛名.ods)を入力するときは、拡張子(.ods)はいらないので注意。

ヘッドレスchromiumの処理?でエラーが表示されることもあるけど、ちゃんとPDFは生成されているはず。

もし、PDF生成が失敗していたら、makenenga.shをテキストエディタで開いて、4行目の「libreoffice」を「soffice」に変えてみてください。

ハガキの版面調整(郵便番号や宛名、住所等の位置など)をする場合は、nenga.cssテキストエディタで開いて修正する。

完成イメージ

印刷設定

プリンタ等、環境によるので、ご注意を。

参考リンク