adbird(広告鳥) 備忘録

Vivaldi メモ機能のビジュアルモードを簡易縦書きエディタにする

Vivaldiブラウザが3.1になり、メモ機能がページ全体で編集ができるようになった。

このところ、小説家になろうなどのサイトを縦書き表示にするのに凝っていた(web小説をユーザースタイルシートで縦書き表示(Vivaldiブラウザ))ので、メモも縦書きで編集できないだろうか? つまり、メモを縦書きエディタにできないだろうか?と思って、試行錯誤してみた。

結果、カーソルキー(上下左右の方向キー)が縦書き入力に対応していないことを除けば、概ね満足できる縦書きエディタになった。

なお、今回はメモ機能の「テキストモード」は横書きのままで、「ビジュアルモード」を縦書きエディタにする。

環境は Ubuntu18.04 の Vivaldi 3.1.1929.48 (Stable channel) (64-bit) だけど、一応、Windowsのやり方も書いている。


ビジュアルモードのmd.cssのバックアップ

メモ機能の「ビジュアルモード」のcssは、Ubuntuの場合、/opt/vivaldi/resources/vivaldi/components/notes/richtexteditor/の中にある md.css なので、まずはそのバックアップを取る。

$ sudo cp /opt/vivaldi/resources/vivaldi/components/notes/richtexteditor/md.css /opt/vivaldi/resources/vivaldi/components/notes/richtexteditor/md_backup.css

Windows の場合は

C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\Vivaldi\Application\3.1.1929.45\resources\vivaldi\components\notes\richtexteditor

(「3.1.1929.45」のところにはVivaldiブラウザのバージョンが入る。)

の中に md.css があるので、それをコピーして、バックアップを取る。

md.css を編集

※下記設定では、フォントを 源暎ちくご明朝 v2 にしているので、源暎ちくご明朝_v2をダウンロード・インストールしておくか、別のフォントを使いたい場合はfont-familyの部分をお気に入りのフォントに変更すること。

md.css を エディタで開く。ここではgeditを使った。

$ sudo gedit /opt/vivaldi/resources/vivaldi/components/notes/richtexteditor/md.css 

md.cssの最初の部分を下の通りに編集。

/* 元の設定はコメントアウト */
/*.MarkdownRender {  
margin: 0 0 6px 12px;  
padding-right: 6px;  
overflow: overlay;  
user-select: text;  
}*/

/* 縦書きに変更 */  
.MarkdownRender {  
margin: 0 20px 6px 12px !important;  
padding: 1rem !important;  
overflow: overlay;  
user-select: text;  
-webkit-writing-mode: vertical-rl !important;  
font-family: "GenEi Chikugo Mincho v2" !important;  
line-height: 2rem !important;  
} 

あと、なぜか僕のUbuntu環境では太字設定がビジュアルモードで反映されなかったので、以下の部分をfont-weightを600 から 800 へ変更。

.MarkdownRender h1,  
.MarkdownRender h2,  
.MarkdownRender h3,  
.MarkdownRender h4,  
.MarkdownRender h5,  
.MarkdownRender strong,  
.MarkdownRender b,  
.MarkdownRender dt {  
font-weight: 800;  
} 

これでVivaldiを再起動。

スクリーンショット

テキストモードはデフォルトのまま。 f:id:adbird:20200731002109j:plain

ビジュアルモードが縦書きに変わっている。もちろん、編集も可能。 f:id:adbird:20200731002121j:plain

カーソルキー(矢印キー)の問題

使えば分かるが、残念なことにカーソルキー(矢印キー)が縦書き入力に対応していない…。

現状、以下のようになってしまう。

  • 「↑」キーが前の行。すなわち、縦書き入力では「右」の行へ移動。
  • 「↓」キーが後の行。すなわち、縦書き入力では「左」の行へ移動。
  • 「←」キーが前の文字。すなわち、縦書き入力では「上」の文字へ移動。
  • 「→」キーが後の文字。すなわち、縦書き入力では「下」の行へ移動。

これはVivaldiだけでなく、Chromeも同じっぽいので、VivaldiのベースになっているChromiumが縦書き入力に対応できていないっぽい。

参考:THE・縦書き / The TATEGAKI

Firefoxなどでは縦書き入力へのカーソルキー(矢印キー)への対応はできているらしく、たとえば、Webブラウザでも縦書きの美しい日本語入力を。 - Qiitaで紹介されている vertical-editorFirefoxで開いて、カーソルキー(矢印キー)を使うと、押した矢印のとおりにカーソルが動く。Vivaldiでは上記のような挙動になる。

この問題さえ直れば、簡易な縦書きエディタとして、とても素晴らしいのだが…。